【あの頃の美少女ゲーム】『Clover Point』にはすごい妹がいた

美少女ゲームファンであれば”心を奪われたヒロイン”がいるという方は多いのでは。

そして、唐突だが、筆者の中の美少女ゲーム・ベストヒロインというと『Clover Point』(Meteor / 2007年)の小鳥遊夜々(たかなしやや)となる。

エロゲーについて新作の記事を書くのがメディアのあるべき姿かもしれないが、今回はFANZA GAMESのスプリングセールにちなんだ記事として本作の話をねじこむことにした。

▲今回の記事では2007年に発売された『Clover Point』のヒロイン・小鳥遊夜々の話をする。本作のキャラクターデザインと原画はYuyi先生。Meteorブランドを盛り上げたイラストレーターである

本作が発売されたのは2007年。筆者にとっては美少女ゲームにハマってからずいぶんと経ち、自分的には”落ち着いてきた頃”であった。店舗別特典をコンプリートするために秋葉原のいろいろなショップで同じタイトルを買って、戦利品のように積み上げていた時期を過ぎ、好きなイラストレーター、シナリオライターの作品だけを買っていた時期である。思えば遠くにきたもんだ……みたいな時期だっただろう。完全にこじれている。

そんなこじらせた自分がパラパラと美少女ゲーム専門雑誌をめくっていたとき、衝撃的な出会いが訪れた。金髪に小さなサイドテールを持つ小鳥遊夜々というキャラクターがズシンときたのだ。どのメーカーのゲームなのか、どんな物語なのか、声優は誰か。そんなことよりも、キャラクターデザインがとにかく強烈に刺さったのだ。瞬間恋に落ちていた。こんなのは『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイ以来かもしれない。

夜々の設定を見ていくと美少女ゲームにおける基本属性である”妹”キャラときた。ハイハイ、シナリオはきっと血はつながっていないけど主人公が”お兄ちゃん”的な存在というやつね……とか妄想を膨らませながら、さまざまなショップに予約に走ったことを覚えている。ショップ別の購入特典はキャラクター別のドラマCDだったのだが、小鳥遊夜々以外のキャラクターのものがもらえる店舗でも予約した。当時「このゲームを自身の最後のエロゲーとする」みたいなことをエロゲーフレンドたちに吹聴していたが、あれから10年以上経ち、いまだに新作エロゲーを楽しみにしている。

▲最初はツンツンしているの夜々さん。このあとお約束のように素早くデレる

話を戻そう。

本作はいわゆる学園もので、主人公の天川祐真と4人のヒロインとの恋愛を描く作品である。主人公の住む町には、雪の積もった時にだけ、一面に四つ葉のクローバーが生い茂る「クローバーガーデン」という場所が現れるといわれている。そのクローバーをひとつ摘んで願いごとをすれば、どんな望みも叶うのだという。要約すると、ちょっとファンタジー色のある学園ものなのだが、シナリオの中にプレイヤーを驚かせる仕掛けがいくつか用意されており、それらの破壊力が総じて高い。

特に、ハイハイよくある妹キャラクターねと思っていた小鳥遊夜々は美少女ゲームだからこそ許される(今は許されないかもしれない)シナリオになっており、キャラクターデザインだけではない萌え力(モエヂカラ)を秘めていることに驚かされた。最初はツンから入り、間もなくデレて……そこから、そうきたかぁーみたいな感じである。当時は自称ツンデレソムリエとして美少女ゲームに向かい合っていた筆者は「夜々さん、デレるまでが早すぎるのでは」と思ったものだが、後半の怒涛のラッシュを受けて、すみませんでした……という具合だ。

各ヒロインの個別ルートへの分岐は、ひとつの選択肢だけで行うという一本気な作りだが、ところどころに散りばめられた魅せどころは存在感たっぷり。好きなヒロインのこと以外は全部脇役だと思っている筆者も、プレイを終えるとすべてのヒロインに愛着が沸いていた。10年も前の作品なのだからネタバレしてもいいだろうと一瞬思ったが、この記事を読んだ方が本作を遊んでくれるかもしれないのでシナリオについて多くは語らない。

▲レッツ背徳

そして、みとせのりこさんの歌う『クローバー』という楽曲も抜群にいい。歌詞と曲調が世界観にマッチしており、これぞ美少女ゲームのサウンドという心地よい響きがある。夜々ルートの後半で、この曲をBGM風にしたものが流れるが、これもぐっとくる。正直前半から中盤にかけては”よくある美少女ゲーム”風なのだが、後半の夜々の台詞の破壊力と『クローバー』のシナジーがものすごく、再度プレイしても初めてプレイしたときのようにぐぐっとくる。もう筆者はアラフォーなのに……。これがエモいってことなのだろう。個人的にはこのサウンドをバックに夜々さんから発せられる「そんな、家族にするみたいな触り方しないで!」は美少女ゲーム業界に残る名セリフ・名シーンだと思う。

ちなみに、美少女ゲームの音源というと、パッケージ版の初回特典などを逃すとと手に入れるのが難しくなってしまうが、『クローバー』はみとせのりこさんのアルバムに収録されている。ダウンロード版ではじめて本作に触れて、楽曲に惹かれたという方はこちらを買うといいだろう。

キャラクターデザインに惹かれてジャケ買いした『Clover Point』だったが、シナリオも音も当時の筆者に刺さる作品となった。しかし、夢中にプレイした当時から10年以上が経ち、家にあるパッケージ版を動作させる環境もすぐには作れず、思い出の中にいるゲームとなりつつあったのも事実。引っ越しの時にパッケージを手に取って、また遊んでみようと思ったことは何度かあったが、そもそもCDドライブを接続するのも面倒だし、対応OSも表記上は満たしていないのでまともに動くか不安である。

そんな今遊び直さない理由だけが積もっていたときに、FANZA GAMESで『Clover Point』のダウンロード版を見つけた。しかも現在(2021年4月)はスプリングセールで500円。驚きのワンコインというやつだ。ダウンロード版の対応OSはWindows:2000/XP/Vistaとなっていたが、お試し的にダウンロードしてみたところ何の問題もなく動く。ありがとうWindows10。ありがとうゲーミングパソコン。

『Clover Point』は隠れた名作としても知られている作品ではあるが、現在ではMeteorというブランドは消滅したため、リメイクなども難しいはず(でもリメイクしなくていいとは言っていない)。当時のパッケージ版も売れに売れたというわけではなく、今から手に入れるにも敷居が高い。美少女ゲームにはこういったタイトルが多数あり”隠れた名作”を人におすすめしても、そのソフトを手に入れる方法や、遊ぶ環境を用意する敷居が極めて高かったりする。そこでFANZA GAMESのダウンロード版の出番である。このプラットフォームは今や膨大な作品を抱え込む”美少女ゲームアーカイブス”のような様相を呈している。かつての名作をもう一度遊びたい。誰かに遊んでもらいたいという方は、FANZA GAMESのストアで検索してみるといいだろう。目当ての作品が見つかれば儲けものだ。

気前の良いセールも見逃せない。現在開催されているスプリングセールでは、さまざまな名作が驚くほどリーズナブルな価格で買える。スプリングセールの500円セールは宝の山である。

(ライター:浅葉たいが)


■タイトル:『Clover Point』
■ブランド:Meteor
■定価:FANZA GAMESダウンロード通常版価格 4180円[税込]
※5月7日17時まで500円。
■メディア:DVD-ROM
■発売日:2007年12月21日
■ダウンロード版対応OS:Windows:2000/XP/Vista
※編集部ではWindows10にて動作
■ジャンル:アドベンチャー
■原画:Yuyi

■FANZA GAMES ダウンロード版購入サイト:https://dlsoft.dmm.co.jp/detail/hobc_0196/

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