【レビュー】『流星ワールドアクター』は私たちを魅了する大人のエンターテインメントだ

人気のある海外ドラマは1シーズンでは終わらない。

シーズン1の最後で次へとつながる伏線のようなものが提示されてラストを迎える。次回作があるのかどうかがわからない期間はやきもきするが、次シーズンへの更新が発表されたときは興奮する。

2019年に発売された『流星ワールドアクター』は私にとってまさにそんなエンターテインメントで、続編として『流星ワールドアクター Badge&Dagger』が発表された今、この作品の未来や広がりに期待が膨らんでいる。

今回の記事では、新展開を間近に控える『流星ワールドアクター』の魅力をお届けする。

第七共和国の事件を追う捜査官・ルカの魅力

2019年に発売された『流星ワールドアクター』は、プレイヤーを引き込む世界設定と魅力的なキャラクターを備えた傑作だ。物語の舞台となるのは、さまざまな種族が集まる”第七共和国”。人知を超えた力を持つ能力者たちが当たり前のように存在するこの場所では、日々事件が絶えない。主人公の日流ルカは警察の一員で、問題児が集まる”十三課”に配属されている。ルカの周囲からの評価は、昇進も成果にも興味がなく、窓際族としてぼんやりとした毎日を送っている冴えない刑事。しかしそれは、彼がそう振舞っているだけで、彼の中には警視庁内で捜査することを禁じられた”教団事件”への執着が消渦巻いている。

周囲からはやる気のない刑事のように思われることも、彼の目的達成のためのひとつのやり方に過ぎない。そんな彼の一匹狼な生き方は、上司の命令で”相棒”となったクラリスとの出会いで大きく変化していく。

▲左が主人公の日流ルカ、右が新人捜査官のクラリス。クラリスはエルフ族で、風の魔術を使うことができる

ルカの描かれ方は本作の大きな見どころとなる。本作では、18禁ゲームという枠組みを活用し、”ちょっとモラルに欠ける、やるときはやる主人公”をうまく描き出している。教団事件への執着から、警察は利用するもの、一人で事件を追うという生き方を選んでいたルカは、破滅的な生き方をしているようにみえるが、言動の節々に周囲の人々への優しさや、さび付いていない正義感が漏れ出している。このところどころに漏れ出す”かつてのルカ”を思わせる要素が、サスペンス風味の強いシナリオをさらに奥深いものにしてくれる。

▲冴えない刑事を隠れ蓑にするルカだが、昔から彼を知る者は、彼が類まれな捜査官であることを知っている。この周囲に実はルカを評価してくれている者がいるという状況もプレイしていて心地よい

周囲の人物たちとの共鳴が心地よい

ヒロインたちをはじめとする周囲の人物たちもみな魅力的だ。新米捜査官としてルカの相棒を務めるエルフ種族のクラリス。凄まじい身体能力を持つセグイット種族のシフォン。クーデターにより国を追われた謎の少女・メル。主人公の後輩で、独特の情報網を持つ小町。それぞれに芯を持つ彼女たちと関わっていくうちに、ルカの内面が変化しはじめる。ヒロインたちとの交流によって、彼の中にもともとあったであろう刑事魂や正義感、愛情などが掘り起こされていくのだ。

▲セグイット族のシフォンは、凄まじい身体能力を持つ。身体能力を活かした戦闘も得意としている
▲祖国でのクーデターによって第七共和国へと流れついたメル
▲主人公の後輩である小町は交通課で働いている。運命の出会いを求めて合コンを繰り返している

警察組織の事件捜査を描いた作品ということで、サスペンスとして読みごたえがある。そのうえ本作の謎は、目の前で起きる事件だけではなく過去にも散りばめられている。ルカやヒロイン、警察組織や第七共和国の過去も、ゲームを始めた時点では輪郭がぼんやりとしているのだ。

時間軸としては未来に走る物語だが、そこには断ち切れない過去が絡みついており、現在の謎と過去の謎がある瞬間に衝突して、思いもよらぬ新事実が浮かび上がることもある。この瞬間のカタルシスは、本作の大きな魅力といえるだろう。

▲ヒロイン以外にも、物語に深く関わってくる人物が大勢登場する。一筋縄ではいかない人物ばかりだが、彼らが時に見せる本音も物語を盛り上げる

18禁ゲームだからこそ描けるシーン

本作の世界設定やサスペンス要素、魅力的な登場人物たちを見ているとさまざまな媒体での”メディアミックス”にも期待できるほどのクオリティを感じる。より多くの人にこの物語を知ってもらいたいという考えも浮かんでくるし、そうなるとメディアミックス以外にも、コンシューマーの全年齢対象のゲームとしてリリースされる可能性などにも思いを馳せる。実際、それらはうまくいく可能性が高いだろうし、既に企画が進んでいるものもあるかもしれない。

しかし、一美少女ゲームファンとしては、本作の”18禁要素”は簡単に切り捨てられるものではないと感じる。ヒロインの設定やSEXシーンの描写などは美少女ゲーム的ファンタジーやお約束的なものも含まれているが、ルカという人物や、彼とヒロインたちとの距離感を描くうえで本作のSEXシーンは不可欠なのだ。実際、本作のSEXシーンはクリエイターのこだわりを感じてしまうほどにダイナミックで、濃厚なものになっている。

18禁美少女ゲームという、過激な表現が最大限許されるジャンルに本作が出てくれて本当に良かった。SEXシーン以外にも、現在のコンシューマーゲームではやりにくくなっている表現も本作には多分に含まれている。そうしたシーンをルカの目線から眺めているとき、本作の思い切りのよさと、美少女ゲームの可能性を感じるのだ。

『流星ワールドアクター』はリッチなゲームである。美少女ゲームファンを唸らせる名作のシナリオを手掛けてきた衣笠彰梧先生が物語と世界設定を描き出し、透明感とでもいうべきものを纏ったキャラクターを生み出せる唯一無二のイラストレーターである春夏冬ゆう先生が参加。背景画やサウンド、ムービーなど、どこをとってもクオリティが高い。豪華なクリエイターとそれを支えた開発陣が、情熱をもって生み出した作品なのだろう。

もし美少女ゲームを遊んだことがないという人にこのレビューが届くのであれば、大人の遊びとして是非プレイしてみてほしい。幸い現在はFANZA GAMESのセールでダウンロード版がお買い得価格となっており、続編ももうすぐ発売ということでまたとない機会になっている。

ちなみに、続編があるとはいえ、『流星ワールドアクター』がぶつ切りで終わる作品というわけではない。明らかになる真実なども十分に用意されており、ヒロインたちの関係も濃密に描かれる。そのうえで残ったいくつかの謎が、続編などで明かされていくのだろう。

(ライター:メトロ加賀美)


■タイトル:流星ワールドアクター
■ブランド:Heliodor
■発売日:2019年7月26日
■対応OS:Windows:7/8.1/10
■ジャンル:アドベンチャー
■原画:春夏冬ゆう
■シナリオ:衣笠彰梧

■FANZA GAMES ダウンロード版購入サイト:https://dlsoft.dmm.co.jp/detail/digination_0006/

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