【レビュー】謎解き怪盗アドベンチャー『AMBITIOUS MISSION』(アンミツ)は、プレイヤーの心を盗んでいく傑作だ

キュートなキャラクターデザインと、作品によって大きく雰囲気を変えて展開されるドラマティックなシナリオに定評のあるSAGA PLANETSの最新作『AMBITIOUS MISSION』が好評発売中である。

同ブランドの持ち味である魅力たっぷりのキャラクターたちを擁して描き出すのはなんと”謎解き怪盗アドベンチャー”。本作は漫画やアニメ、小説などではお馴染みの”怪盗”という存在を、美少女ゲームという表現の場で実にユニークに描き出すことに成功している。

本記事では、その魅力をお伝えする。

(ライター:よるよる)

怪盗たちが魅せるドラマが
鮮やかにプレイヤーの心を盗む

主人公の根津御影(ねづ みかげ)は、街を騒がせる”怪盗”ミスアルテと偶然遭遇する。その偶然にさらなる偶然が重なり、ミスアルテの正体が学校の”高嶺の花”である有瀬かぐや(ありせ かぐや)であることに気づいてしまう。知ってはいけないことに偶然触れてしまった御影は、”怪盗部”の鮮やかな手法に魅かれ、彼もまた怪盗として覚醒していくことになる。怪盗部、そしてかぐやの目的は、街に伝わる「アンビシャス」という12の星をすべて手に入れること。アンビシャスを揃えた者は、その名の通り、すべての野心を叶えられるというのだ。

▲街を騒がせる怪盗ミスアルテは”盗むもの”にこだわる美少女。単に金目のものを狙うのではなく、彼女なりの信念のもと怪盗として活動している
▲御影は学校の高嶺の花”有瀬かぐや”の乳の触り心地から、ミスアルテの正体がかぐやであると確信する。ポップなスタートを切る二人の関係だが、彼らの向かう先には予想だにしないシリアスな出来事も待ち受けている

野心を叶えるお宝の存在や、怪盗や忍者というラブコメにしてはぶっ飛んだ設定のヒロインたち。こうした要素だけを見ると、テンション高めの勢いで駆け抜けていくシナリオを想像する方がいるかもしれない、しかし、実は本作、シナリオのうねりとでもいうべきものが実に特徴的で、ラブコメとしての恋愛ものの温かさはもちろん、怪盗ものとしての爽快感、そしてハートフルなヒューマンドラマ的な要素も併せもっている。美少女ゲームでありながら、さまざまな方向からプレイヤーの心を打つ物語が楽しめるのだ。
怪盗ものということで”盗む”という行為が描かれるが、御影や怪盗ミスアルテの盗みは、”罪”ではあるものの決して悪とは言い切れない。彼らがどうして盗むという行動に出るのか、そして盗むことで、どのような結果が起きるのかという部分は大きな見どころである。ほかにも、アンビシャスを集めることで本当に願いは叶うのか、そんなお伽話のような存在を追い求めるかぐやの真意と野心とは何なのかといった”謎”の行方も見逃せないポイントになるだろう。

▲御影のアパートの隣に引っ越してきた石川弥栄(いしかわやえ)は、泥棒として名を馳せた石川五右衛門の16代目。引っ込み思案な女の子だが、忍者のような驚くべき身体能力を持つ
▲かぐやと同じく学校の人気者である本郷虹夢(ほんごうにじむ)は、読者モデルとして活動する美少女。彼女はかぐやの怪盗としての活動を支えるスタッフの一人でもある

魅力的なキャラクターたちと
充実のイチャラブシーン

本作のキャラクターデザインは、SAGA PLANETSの作品ではお馴染みのほんたにかなえ先生、とらのすけ先生、有末つかさ先生、羽咲せいか先生らが務めている。とにかくキュートなメインヒロインたちに一目惚れしてプレイを始めたのなら、裏切られることのないイチャラブ展開が待ち受けているので安心してもらいたい。サブキャラクターたちも実に魅力的で、物語に良きスパイスをもたらしてくれるうえ、メインヒロインになってくれればいいのに……と思うほど魅力的な一面も見せてくれる。

▲サブキャラクターの”シャル”は探偵として御影たちを追いかける存在。イベントCGこそ少ないが、彼女にも魅力がぎゅっと詰まっている

エッチシーンも爆発的な破壊力を持っており”実用度”も極めて高い。プレイやシチュエーションも多彩で、ヒロインの魅力弾ける甘い時間を楽しめるのだ。肉感たっぷりの今にも動き出しそうな躍動感のあるシーンが多く、エロティックに女体を染める体液描写もたまらない。プレイを重ねるごとにエッチになっていくヒロインたちの姿も実に愛おしい。

また、メインヒロイン以外のエッチシーンや意外な組み合わせによる3Pなどものお楽しみ要素も用意されており、これらも実にエロティック。おまけ要素的なものではあるが、シナリオの中にうまく組み込まれているので、一連の物語として楽しめるのも嬉しいところだ。

18禁ゲームで描く
大人なドラマ部分にも注目

本作は「美少女たちがいて、甘い恋愛を楽しめる」うえで、プレイした人に絶妙な余韻を残すシナリオを持っている。”怪盗”という単語を見ると、著名な漫画、小説などの印象もあって、痛快な推理劇やアクションを想像する方もいるだろう。本作にもこうした要素がパロディ的に盛りこまれているが、幹となるのは本作だけのユニークな大人のドラマである。怪盗と、怪盗を捕えようとしたりする勢力の関係を、単純な善悪の二項対立として描かなかったことで、登場人物とシナリオが実に奥深いものになっているのだ。

▲怪盗ものらしい”お約束”要素も多数。ちなみに、主人公『根津御影』のもう一つの姿、怪盗ミッドナイトのデザインはイラストレーターの夏彦先生が手がけている。
▲怪盗ものらしい”予告状”なども登場する。
▲謎を抱えた”大人たち”の、強い信念にもとづく言動もお見逃しなく

シナリオを読み進めていけばいくほど、登場人物たちに興味が湧いてきて、知りたいという欲求が湧いてくる。どうしてその人物がそういう行動や態度をとるに至ったのかというところが見え始めてくるともう止まらない。キャラクターたちが物語の先へと連れて行ってくれるような感覚が得られるはずだ。

キャラクターに一目惚れして遊ぶも良し、ぐっとくる話を求めて遊ぶも良し。SAGA PLANETSの最新作『AMBITIOUS MISSION』は美少女ゲームを求める方に強くおすすめしたい傑作である。


■タイトル:『AMBITIOUS MISSION』
■ブランド:SAGA PLANETS
■発売日:発売中(2022年5月27日)
■ジャンル:謎解き怪盗アドベンチャー
■価格:10,780円(税込み)
■企画:SAGA PLANETS
■原案:さかき傘
■ディレクター:KURO
■シナリオ:さかき傘
■原画:ほんたにかなえ、とらのすけ、有末つかさ、羽咲せいか、夏彦
■SD原画:ぴこぴこぐらむ
■BGM:松本慎一郎、山口たこ、Yuki Nakano、タナトシ、水月陵、えびかれー伯爵、かしこ、池木紗々
■主題歌:『breaking light』(作詞:こはるん 作曲/編曲:高瀬一矢、歌手:佐藤アスカ)
■ムービー:syamo
■公式サイト:http://sagapla.net/works/ambitious/

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