2022年7月29日にアストロノーツ・シリウスより発売された『深淵のラビリントス』。地下迷宮ダンジョンRPGと銘打たれている本作は、敵魔物との戦闘や空腹、混沌汚染度といった主人公の生死をわかつ要素を管理しながら、人間、悪魔、女性型魔物のエッチシーンも堪能できるお得なタイトルだ。今回はそんな本作の、RPGパートの魅力やエッチシーンの内訳などを紹介していきたい。
(ライター:マンモス丸谷)
本格的な戦闘と生き抜くためのリソース管理が楽しめるダンジョン探索
『深淵のラビリントス』の主人公は、地下に埋もれた謎多き「墜ちた塔」に捕らわれている男、ヴェルト。プレイヤーはこのヴェルトに扮し、言葉を話す魔剣ダスラッドとともに失われた記憶と自由を求め、最上階=地上世界への脱出を目指してダンジョンのごとく入り組んだ塔の攻略を目指していく。
▲『深淵のラビリントス』のダンジョン(塔)探索画面。画面左側の入口から進みたい場所をクリックしていき、右側の出口に達すると次の階層に進んでいく。基本的に後戻りはできない
プレイヤーに要求されるのは、ヴェルトのHPが0になってゲームオーバーに陥らないようダンジョンを進みつつ、①回復薬や食料といったアイテムの確保、ゲームの進行に合わせて強さを増す魔物に対抗するための②スキル習得、③基礎パラメーターのアップといったヴェルトの強化を行っていく。これらはそれぞれダンジョン内のどの部屋を訪れて進んでいくことで、ある程度狙って獲得が可能だ。
まず①のアイテム入手は単純明快で、宝箱や肉(食料)のアイコンが示された部屋に入ることで手に入る。本作では満腹度というヴェルトが一歩進むごとに減少していくパラメーターが存在しており、満腹度が0になると戦闘でスキルを放つために必要なAPの回復量が激減。まともに魔物と戦うことができなくなる。そのため満腹度を保つのはHPの管理と同じぐらい大切だ。
②のスキルは、道中の魔物を倒すことで習得可能。戦闘に勝利すると高確率で習得可能なスキルが3種類ほど提示され、その中からひとつを選ぶことでヴェルトに攻撃や防御に役立つスキルを覚えさせられる。
ただし、スキルを覚えていられるスロット数の関係上、一度に覚えておけるのは3種類前後。加えて戦闘後にどんなスキルが手に入るかはランダムで、習得済みのスキルを再度入手するとレベルが上がって効果が協力になっていくため、スキルスロットをどう活用していくかはアイテムスロット以上に重要だ。ここはプレイヤーの個性が出る部分でもあり、面白いところでもある。
筆者の場合、攻撃回数が増える「連撃」と相手の攻撃を1回だけなら確実に避けられる「回避」をメインに使いつつ、スキルの習得枠が増える中盤以降はDEFが高い堅い魔物にはスリップダメージを与えられる「毒剣」(毒剣で攻撃した後は回避を選び続けて死ぬのを待つ)、相手の連撃対策としてDEFを上げつつ攻撃もできる”回り込み”を覚える……という、安全重視のスキルセットでゲームを進めていった。
しかし、スキルには攻撃しながら次のターンのAP回復量を増やせる「牽制」、相手のDEFを無視してダメージを与えられる「貫通」といった特殊な効果を持った攻撃や、自身のATK(攻撃力)の値を上げる”雄たけび”のような補助系スキルも用意されており、少ないターンで決着をつけるようなスタイルも取れる。
最後の③、ヴェルトのステータスアップだが、これは「とにかく複数のヒロインとのエッチシーンを見まくる」ことで実現する。本作ではヒロインとセックスすると、その後にHPやATK、DEFのいずれかがアップする。
デモネスと呼ばれる女悪魔のヒロイン(ラステ、リューネ、ヘルシェ)、ヒロインではないが女性タイプの魔物とセックスした際は「混沌汚染度」という一見するとバッドステータスに思える要素のゲージが上昇するが、こちらもゲームの進め方によってはメリットになりうる(ストーリー終盤の戦闘で混沌汚染度に依存した攻撃スキルを得る機会がある)。
本作においてエッチは基本的にヤり得。美少女ゲームならでは(?)といえるパワーアップ方法を活用し、ダンジョン探索とイベントCG&シーン回想を進めていくのがいいだろう。
エッチシーンも充実 ただし全回収にはコツが必要!?
本格的なダンジョン探索と戦闘が楽しめる『深淵のラビリントス』だが、美少女ゲームに求められる要素である、エッチシーンの方も充実している。本作に登場する(顔グラフィックが存在する)女性キャラクターとは人間、魔物を問わず基本的にエッチが可能で、個別のストーリーが存在しているヒロインキャラの10人には、最低3シーン以上、平均して5、6個のエッチシーンが用意されている。これらヒロインと魔物のHシーンを合計すると、その数は70を超える。
そんな多くのエッチシーンを回収しようと思った際に覚えておきたいのは、本作にはまちがった選択肢を選んだり、わざと魔物に負けたりしないと見られない類のエッチシーンが存在すること。
とくにヒロインとの仲が進んで個別エンディングを迎えようかとするタイミングで現れる選択肢や魔物との戦闘が、エッチシーンのフラグに設定されていることが多い。通常の美少女ゲームやRPG以上にこまめなセーブを心がけ、効率よくエッチシーンの回収をオススメしたい。
周回プレイで迎える美しいフィナーレ
エッチシーン、エンディングなどの回収はこまめなセーブ&ロードでカバーできるが、『深淵のラビリントス』には、周回プレイを前提にした要素も存在する。それはゲーム終盤に出現する強敵との戦闘だ。
墜ちた塔の上層や、深淵の塔(一度堕ちた塔を攻略すると訪れられるダンジョン)には、初回プレイでほぼ限界までパラメーターを上げ切ったヴェルトを一撃で殺せるATK値や、まともにダメージを与えられないDEF値を持つ敵や、こちらの持久戦を封じるスキルを使う魔物がたびたび現れる(必ず戦う必要はないため、戦闘を避ければ塔自体の攻略は可能)。
こういった強敵には、ゲーム開始時にこれまで見てきたエンディングの数、塔の何回まで到達できたかでヴェルトのパラメーターやスキル&アイテムスキルにボーナスが加算される、2周目以降のプレイで挑むのがベター。基本能力が底上げされた状態のヴェルトで再び堕ちた塔を登りつつ、強敵向けのスキルを習得、かつレベルを上げていけば(貫通と回避は必須と思われる)、終盤の対魔物戦に向けた体制が整うはず。
そしてメインストーリーに関しては”周回プレイを重ねること”自体に意味づけがなされており、2、3回は通しで墜ちた塔→深淵の塔を攻略した経験を持った状態で真のエンディングを見ると、より納得感と感動を得られるはずだ(ちなみに真のエンディング自体は1周目の墜ちた塔30Fでセーブ→ロードしてダンジョン踏破を2度くり返すことで見ることはできる)。
エッチシーンやエンディングの数(シナリオ)のボリュームはもちろんのこと、ダンジョン探索パートの内容も充実している『深淵のラビリントス』。発売当初は一部のPCで挙動が不安定だったが、8月8日にアップされた修正ファイルで不具合は解消。さらにより歯ごたえのある戦闘が楽しめる難易度ハードも追加され(敵のパラメーターが難易度ノーマルの1.5~2倍)、より楽しみの幅が広がっている。長時間”遊べる”美少女ゲームを求めている人には、ぜひ手に取ってみてもらいたいタイトルだ。
■タイトル:深淵のラビリントス
■ブランド:アストロノーツ・シリウス
■ジャンル: 地下迷宮サバイバルRPG
■シナリオ: ヤマガミユウ/月影彰太/霧島へるん/くれべよういちろう/門戸扉/assault
■原画: M&M
■発売日:2022年7月29日
■価格:パッケージ版 9,680円[税込]/ ダウンロード版 7,800円[税込]
■対応OS: Windows 10 日本語版
■公式サイト:http://www.astronauts.co.jp/sirius/loa/index.html