まどそふとから2020年に発売された『ハミダシクリエイティブ』に、待望の続編が登場。人気ヒロインたちとの”その後”を描くルートに加え、人気キャラクターの竜閑 天梨(りゅうかん あめり)との恋愛模様も収録されている。
続編とはいえ、キャラクターと舞台を据え置いたファンディスク的な側面もあるので、本作をプレイするうえで前作のプレイはほぼ必須……ではあるのだが、キュートなヒロインたちとのイベントを眺めていると本作だけでも満足感を覚えるのだから恐ろしい。
『ハミクリ』再び!待望のあのルートも追加!
『ハミダシクリエイティブ』では、美麗でグラフィックと軽妙なシナリオが話題となった。ヒロインたちも実に個性的かつ、夢のある設定が盛られているのも見逃せないポイント。ヒロインたちは、美少女声優、Vtuber、イラストレーター、小説家といったクリエイター、それも規格外のハミダシ者のクリエイターたちなのだ。
そしてプレイヤーは、主人公の目を通して、こうしたクリエイターの”中の人”と触れ合い、恋愛関係を結んでいく。現実のファンの行動として不純かもしれないが、物語としては夢しかない。そして語られるストーリーも、こうした職業のツボを押さえつつ、美少女ゲームらしい甘さでいっぱいのものになっていた。そんな前作の良さは本作にも絶妙に継承されており、ヒロインたちとの”その後”の物語も実に濃厚。基本的にはいちゃラブなのだが、そこには主人公とヒロインが築いた関係の深さがしっかりと描かれている。
また、本作では竜閑 天梨(りゅうかん あめり)ルートも楽しむことができる。前作で「魅力的すぎるサブキャラクター」として描かれたため、「ファンディスクが出るなら攻略対象に!」と願った人も多いだろう。ファッションモデルである天梨との恋愛模様も、他のヒロインに負けないほどに甘く、他のヒロインにはない部分でプレイヤーを揺さぶってくる。ここぞというシーンでは、美しくセンチメンタルなグラフィックと、シンプルながら研ぎ澄まされたテキストが飛んでくるので、涙腺には要注意。
実用度の高すぎるエッチシーン
『ハミダシクリエイティブ凸』のエッチシーンは、実用度が高すぎる。ファンディスクということもあって、いちゃらぶシーン、つまりエッチシーンの比重は多めなのだが、どのヒロインにも理解っている(わかっている)シチュエーションが多すぎる。着衣プレイはもちろん、コスプレも収録しつつ、プレイ中の言葉責めなども、「このヒロインにやってみたい……」というものばかり。ボイスとテキストのクオリティも素晴らしく、すべてのシーンが強烈な印象を残してくれる。
立ち絵だけを見ると一見幼く見えるヒロインたちも、脱ぐとさらにはちきれんばかりの魅力を押し付けてくる。肉感的な描写のエッチシーンは実にエロティックで、全裸でのエッチも前述したフェティッシュなプレイとは違う見ごたえがある。そして、一部のシーンにある”選択肢”も見逃せない。清々しいほどにド直球な欲望が込められた選択肢は、ついつい選んでみたくなるものばかり……。天梨に「ぶっかけ」るシーンは、ぜひ実際にプレイして確認してみてほしい。「そう来たかあ~」と唸らされること間違いなしだ。
超絶技巧で作られた直球の美少女ゲーム
『ハミダシクリエイティブ』
ハイレベルなデザイン、グラフィック、ボイス、BGM、シナリオが一体化して、遊びやすくわかりやすい美少女ゲームを作りだしているのが『ハミダシクリエイティブ』の凄味だろう。ユーザーインターフェースも使いやすく、立ち絵鑑賞機能などのサービス機能も充実しており、本作からは凄まじい作りこみの熱意が漂ってくる(SDキャラクターを使って描写するコミカルなシーンもとてつもなく良い)。
「Vtuberや声優と恋愛するゲーム」というと、現代的なものの、ありきたりなテーマを選んでいるように感じる人もいるだろうが、それをまどそふとが作ると、オンリーワンの物語に昇華されてしまうのだから驚きだ。特に、シナリオの細やかな気配りには目を見張るものがあり、簡潔に語ってほしいシーンや心情の要点を押さえたテキストからは、前作でも、本作でも、涙腺を刺激する力を感じた。
前作未プレイの方は、是非前作から。前作をプレイしたという方は是非本作をプレイしてもらいたい。精巧に作りこまれたド直球の美少女ゲームは、多くのプレイヤーの心を揺さぶるはずだ。
■タイトル:ハミダシクリエイティブ凸
■ブランド:まどそふと
■ジャンル:学園に来てくれる美少女と青春を謳歌する学園恋愛ADV
■発売日:発売中(2022年11月25日)
■価格:初回版9,800円(税込10,780円)/ ダウンロード版8,800円(税込)
■制作スタッフ(一部):
原画・キャラクターデザイン:宇都宮つみれ
シナリオ:甲木順之助
SDキャラデザイン:茜屋
ディレクター:もじゃすびい
BGM制作:まつむー
ムービー制作:Syamo
デザインディレクション:cao.(*PetitBrain)
【OP THEME】「一冊のアロー」
Vocal:櫻川めぐ
作詞・作曲・編曲:堀江晶太
■対応OS:Windows 10 64bit / Windows11
■公式サイト:https://madosoft.net/totsu/