まどそふとより2024年7月26日にリリースされた『セレクトオブリージュ』(以下『セレオブ』)。本作は「反逆の成り上がり学園恋愛ADV」と銘打たれたタイトルで、経済特区やスラム街などが存在するという設定の日本を舞台に、主人公である布波能 凪(ふわの なぎ)と4人のヒロインたちの恋愛ストーリーが展開される。
本記事では『セレオブ』の世界観やヒロインたちとのデートシーンなど、その魅力を紹介する。
(ライター:マンモス丸谷)
持たざる者の奮闘が描かれるゲーム序盤~中盤の共通ルート
『セレオブ』の舞台となるのは、「資本主義がもたらした歪な秩序と平和」によって築かれたという、特別区域に建てられたエリート専用の教育機関、桜元学園。プレイヤーはその桜元学園に「ワン・ズ・ギフト」なる特別制度によって入学を許されたスラム育ちの主人公、布波能凪が人生の一発逆転を目指して奮闘する姿を読み進めていく。
本作はキャラクターデザイン&原画の柚子奈ひよ先生×まどそふとのタイトルとしては、かなり重い雰囲気の世界観でスタート。実際、ゲーム序盤から中盤にかけては、サブキャラクターのひとり、獅童龍司と激しく対立していく。恐喝の犯人に仕立て上げられて退学の危機を迎えたり、暴力と尋問で半殺しにされたりといったストーリーが進行し、ピンチを凪が持ち前の機転と行動力で切り抜けるさまが見どころになっている。
ただ、そんなシリアスな雰囲気は、ゲームを進めていくと徐々に薄れていく。その最たる要因は、凪が選んだ成り上がりの手段が、桜元学園の運営を取り仕切る女の子たち=本作のヒロイン3人の内の誰かと「結婚する」という計画だから。ヒロインの個別ルートに入る頃には、現実よりはやや科学技術が進んだ日本を舞台にした王道純愛ラブコメとして話が進む。
ゲーム序盤のピカレスクロマン的な雰囲気と、ヒロインの個別ルートに突入したあとのラブコメ展開、このギャップは他の作品ではなかなか味わえない、『セレオブ』ならではの魅力であろう。
ヒロイン個別ルートに突入してからは純愛濃度が一気にアップ!
学生会の3人への同時プロポーズするという、ハーレム系エロゲーのような展開からヒロインたちとのコミュニケーションが始まる『セレオブ』だが、本作はれっきとした純愛系の美少女ゲーム。個別ルートに入ってからは選んだヒロインひとりが抱えている問題に向き合うことで仲を深めていき、その過程でエッチシーンが見られるという流れになっている。
ちなみに本作は共通ルート中に出現する選択肢のほとんどが、どのヒロインのルートに入るかに影響を与えるタイプのタイトル。そのためセーブデータはこまめに取っておくことをオススメしたい。
また、イベントCGをコンプリートしたい場合は、エッチシーンのフィニッシュで中出しと外出し、両方を忘れずに選択する必要がある。こちらは回想シーンで本編プレイ時とは違う選択をすれば、問題なく回収可能だ。
やや捻った世界観設定&導入から始まりつつも、最後は純愛ラブコメへと着地していく、シナリオのギャップが楽しい『セレクトオブリージュ』。公式サイトのストーリー紹介や体験版でプレイできる範囲だとハードな世界観のゲームと思って身構えてしまう人もいるかもしれないが、美少女ゲーム好きであれば間違いなく安心して遊べる。お話が気になった人はもちろん、ヒロインたちのビジュアルに惹かれた人にも気軽にプレイしてほしい一作だ。
■タイトル:セレクトオブリージュ
■ブランド:まどそふと(制作:kuwa games)
■ジャンル:反逆の成り上がり学園恋愛ADV
■発売日:発売中(2024年7月26日)
■価格:パッケージ・初回限定版:10,780円[税込]、パッケージ・豪華版:21,780円[税込]
■対応OS: Windows 10 / 11
■スタッフ:
原画・キャラクターデザイン: 柚子奈ひよ
シナリオ: 若葉祥慶
SD原画: ねじ。
ディレクター:しげた・五郎
■ブランドURL:https://madosoft.net/
■公式サイト:https://selectoblige.com/