フロントウイングとグッドスマイルカンパニーがタッグを組み、2025年6月12日に発売した『KANADE』。全年齢向けノベルゲームとして、Steam、DMM GAMES、DLsiteでリリースされた。Steamを中心に、購入した多くのユーザーから「非常に好評」な評価がなされているタイトルだ。
本記事では物語の核心に迫るネタバレは避けつつ、主人公とヒロインのカナデの心の移り変わり、関係性の変化をていねいに描いたシナリオ、緩やかに滅びを迎えつつある近未来を舞台にした独特の世界観、作品のキーにもなっている「ラブソング」(音楽)の使い方など、『KANADE』の魅力を紹介していく。
「恋に落ちる」過程を丁寧に描く
『KANADE』は、植物の異常増殖現象によって、文明が大きく衰退しつつある近未来が舞台のノベルゲーム。プレイヤーは主人公、悠登(ゆうと)の視点から、悠登と文通を交わしていた少女、カナデとの出会いから始まる物語を体験していく。


カナデが悠登の自宅にやって来たところから始まる本作のオープニングでは、カナデが宇宙人の母と地球人の父から生まれたハーフであること、カナデには歌で植物を操る能力があること、消えた両親の代わりに最高のラブソングを作って歌で世界を救う使命があること、そのためには悠登と恋に落ちる必要……といった情報が悠登とカナデのかけあいから次々と明かされ、そこからふたりの同棲生活がスタートする。


カナデが悠登の家に居ついてからは、悠登の幼なじみである伊織やみのり、ジャンク屋を営む亜希や、亜希の祖父で悠登の師匠的存在のじいさんといった街の住人との交流が描かれ、悠登とカナデの距離が近づいていき、ふたりが本当に「恋に落ちる」までの描写に多くのテキストが割かれている。ここで描かれるラブコメ&独特の空気感は、本作の大きな魅力のひとつといえるだろう。



2周目 + Prequel で完結
『KANADE』はテキストを読み進めていけばエンディングを迎えられるタイプのノベルゲームだが、1周で完結するゲームではない。1度エンディングを見ると、とある場面に選択肢が現れて、初プレイ時とは異なるルートのストーリーが楽しめるようになる。こちらでは冷静に考えるとややビターな要素も含んだハッピーエンドだった1周目とは異なる大団円が見られるほか、カナデの両親が消息を絶った理由、植物の異常繁殖することになった真相、じいさんの探している「なにか」といった、1周目では謎のままだった伏線も、すべて回収される。
さらにふたつめのエンディングを見たあとにスタート画面に戻ると「Prequel」という項目が出現。ここでは悠登とカナデが出会う前、文通で交流していたころの様子が描かれている。本編2周に加えて「Prequel」をプレイすることで本作のテキストを全て読みきったことになるので、忘れずにチェックしておきたい。


独特の世界観の中で主人公の悠登、ヒロインのカナデが恋人と結ばれるまでの過程がじっくり描写され、最後にはSF的な驚きや盛り上がりも提供してくれる『KANADE』。ロープライスタイトルではあるが主人公以外はフルボイス、作中でカナデが歌っているシーンでは実際に歌声(ハミングなどバリエーションあり)が流れるなど、「音」に関しては、一般的な美少女ゲーム以上にこだわっている印象であり、ノベルゲームが好きならば手軽に遊べて満足感が得られる内容となっている。
『KANADE』はSteamで8月29日まで、DMM GAMESとDLsiteでは8月31日まで10%オフセールが実施中なので、この機会にぜひプレイしてみてほしい。
■タイトル:KANADE
■ブランド: フロントウイング / グッドスマイルカンパニー
■ジャンル:ノベルゲーム
■発売日:発売中(2025年6月12日)
■価格:1,980円(税込)
■対応OS:Windows:10/11
■スタッフ(一部):
企画/シナリオ 浅生詠
キャラクターデザイン ゆさの
サブキャラクターデザイン 渡辺明夫
SD原画 ななかまい
音楽 松本文紀
■URL:https://kanade.frontwing.co.jp/
