【レビュー】幸せ溢れる純愛のドラマ!『放課後シンデレラ2』がプレイヤーを幸せにする

とんでもないソフトを遊んでしまった……!

萌えゲーアワード2022の”純愛作品賞”を受賞した、HOOKSOFTの『放課後シンデレラ2』を遊んでみたところ、その驚くべき純愛力と自分の人生に存在し得ない夢のような放課後のキュンキュン力に殴り飛ばされ、今こうして記事を書いている。

「下校のドキドキ」をコンセプトにした本作では、学生生活の放課後に焦点を当てて物語が進んでいく。美少女ゲームということで当然美少女たちとの恋愛を楽しむ作品なのだが、このヒロインたちがとてつもなく「良い」。王道の属性を備えていながら、一人一人唯一無二の存在なのである。美少女ゲームを遊んだあと、たいていは自分の中の推しヒロインが決まるのだが、今の筆者の心境としては「みんな好き」である。

そんな魅力溢れる『放課後シンデレラ2』を本記事ではご紹介する(ちなみに、本作はナンバリングタイトルではあるが、1を遊んでいなくとも、2の物語の理解には全く影響しない。安心して2から遊び、シリーズの雰囲気が気に入ったら1作目を遊ぶというのもいいだろう)。

(ライター:玉井)

彼女と一緒に下校するという青春

物語の舞台は春。主人公の公住新(くずみ あらた)は母の転勤により新しい街に引っ越してきた。引っ越し前の彼は、自身が青春から程遠い場所にいると感じていた。バイトに勤しむあまり、自身の憧れる友情や恋愛の気配が漂う”青春”からは程遠い学生生活を送ってきたからだ。そんな青春へのコンプレックスを抱える新は引っ越しをきっかけに、心機一転し充実した学生生活を送る決意を固める。

新しい学生生活では、良き友人たちに恵まれ、なぜか美少女たちとも出会っていく。自身の望む青春のための下準備というにはあまりにぜいたくな環境が偶然にも整おうとしている中、彼は具体的にどう過ごせばいいかわからないという状況に陥ってしまう。

そんな中、引っ越し先の隣の家に住む小瀬 葉月(おぜ はづき)の前向きな言葉に感化され、新は自分なりに青春を楽しもうと決意する。プレイヤーは新となり「彼女と一緒に下校する理想的な学生生活」を目指して、下校の通学路でヒロインたちとコミュニケーションをとっていくのだ。

▲引っ越し先の家の隣に住む「小瀬葉月」。新の借りている家の家主の娘でもあるため、主人公になにかと世話を焼いてくれる。彼女の前向きな言葉に背中を押され、新は自分なりの青春を探すことを決意する
▲放課後に出会うヒロインたちと一緒に下校するうちに、彼女たちとの絆が深まっていく。選択肢によって仲が深まり、意外な一面が見られることも。画像は後輩ヒロインの渡良瀬寧々とのワンシーン。普段は生意気な彼女も、ときどき乙女な一面を見せてくれる

おっとりした世話好きの先輩である「小瀬 葉月(おぜ はづき)」、元気で人懐っこい「夏越 千穂(なつごえ ちほ)」、生意気なメスガキ風味を漂わせつつもどこか憎めない「渡良瀬 寧々(わたらせ ねね)、通学途中で見かける小悪魔的な他校の美少女「窓川 芹香(まどかわ せりか)」。彼女たちは美少女ゲームの属性としてはおなじみのものだが、いざ物語を進めてみると本作にしかいない唯一の存在としてプレイヤーを魅了する。

ヒロインの掘り下げが実に見事で、その言動は実にユニーク。そしてマスクを外さないミステリアスな同級生・車井 みくる(くるまい みくる)については、美少女ゲームにおいて珍しい属性だが、このヒロインにも「そう来たか」と唸るような展開が用意されている。

▲同級生となった新を暖かく迎えてくれる夏越 千穂(なつごえ ちほ)。人懐っこい愛嬌のあるヒロインだ。ヒロインの名前に、彼女たちの属性がそれとなく入っているのも密かな見どころ
▲通学途中で出会う他校の美少女・窓川 芹香(まどかわ せりか)。一見儚げに見える彼女だが、話してみると新を惑わせるような小悪魔ぶりを垣間見せる
▲マスクを外さないミステリアスなヒロイン・車井 みくる(くるまい みくる)。彼女のマスクが外れるとき、プレイヤーはキュン死(死語)するかもしれない

放課後に焦点を当てた本作では「下校ルート」を設定することで物語が進行する。学校から駅までに立ち寄る場所を指定し、場所によってはヒロインと出会い、コミュニケーションを取れるという形だ。ヒロインごとの下校時の行動の特性はなんとなくゲーム側で示唆されるうえ、「占い」という要素でほぼ正解を掴むことができるので、難度が高いというわけではないのでご安心を。

しかも、一人でもヒロインとエンディングを迎えると、その後はサポート機能が解放され、下校時に目当ての女の子と出会いやすくなる。一周目は、目当てのヒロインと出会えるように、占いを活用してゆったりと下校を楽しむといい。

▲下校ルートを設定する際は、女の子の行動と重なるように組み立てたいが、難度はそう高くないので身構える必要はない

彼氏彼女になったあとは、あまあま展開の連続!

放課後の時間でヒロインと仲を深め、告白イベントを終えてエンディング……というわけではなく、本作では彼氏彼女としてのその後が濃密に描かれる。この状態になると、どのヒロインもパワフルに魅力をぶつけてくるのだからたまらない。筆者が特にぐっときたのは、クラスメイトたちに付き合っていることがバレるイベント。このイベントは複数のヒロインに用意されているが、そのどれもがディスプレイの前でちょっと固まるくらいに甘く、じんとくる余韻を残してくれた。

このほかにも、こういうイベントが見たかったというようなイベントが盛りだくさんで、プレイしているうちに「推しヒロイン」がどんどん変わっていくような感覚に陥ってしまった。

▲クラスメイトに彼氏彼女の関係がバレるシーンは必見。クラスメイトがみんないいやつなので感動もひとしお

そして、彼氏彼女の関係となると欠かせないエッチシーンも実に濃厚に描かれる。初体験は繊細に、以降盛り上がっていくプレイは情熱的に描かれる。純愛ものとはいえ、エッチシーンのバリエーションも多彩で、フェティッシュなプレイもいくつか用意されていてエロゲーとしての実用度も高めだ。

また、エッチシーン中の全裸か半裸を選べるオプション機能もあるなど、大人のサポート機能が充実しているのも嬉しいポイント。半裸選択時の半脱ぎ具合は絶妙である。

▲エッチシーンは実に肉感的。最初は初々しかったプレイが、次第に過激になるのも青春の臨場感に満ちている
▲ゲーム内のオプションでエッチシーンの表現を「全裸」と「半裸」の二種類から選べる嬉しい機能も。画面は半裸を選択時のエッチシーン
▲足コキなどのフェティッシュなプレイも少しだけ入っていてエロゲーとしての実用度も十分!

プレイヤーを幸せにする『放課後シンデレラ2』

『放課後シンデレラ2』は純愛ものとして、甘い展開に振り切った作品である。純愛ものというと、プレイヤーを「泣かせる」要素である悲劇や悲劇からの回復といった要素を盛り込んでくるものも多いが、本作はヒロインの魅力とあまあま青春描写でパワフルに押し切ってくる。ヒロインたちの持つ等身大の悩み、中には泣きゲー的な悲劇を思わせる過去を抱えるヒロインもいるが、それらはあくまで物語のスパイスで、メインは甘い恋愛なのだ。その甘い恋愛が魔除けのように、さまざまな不幸を払いのけ、幸せな結末へと突き進んでいく。

主人公とヒロインたち以外の登場人物も、明るく、優しく、面白く、遊んでいてポジティブな気持ちになれる純愛ゲームが本作なのだ。

▲グラフィックは登場しないが、筆者は主人公の「ママ」がお気に入りサブキャラ。彼女としてあいさつにきたヒロインを「美人局!?」呼ばわりする暴走っぷりがたまらなく良い

泣き要素の少ない純愛ものというと物足りないと感じる方もいるかもしれないが、本作を遊んでいると、プレイヤーの心を揺らし、純愛ものとしての感動をもたらすのは「泣きゲー」でなくとも可能なのだと確信する。きっと皆さまも、本作を遊べば、明るく笑えるラブストーリーに引き込まれ、照れ隠しのように心の中で笑いながらも、その奥では感動している自分を発見してしまうはず。

問答無用で幸せな気持ちになれる純愛ゲームを遊びたいという方は、『放課後シンデレラ2』を手に取ってみてはいかがだろうか。

※体験版も配信中:体験版配信先はこちら


■タイトル:放課後シンデレラ2
■ジャンル:下校がロマンの純愛学園ADV
■発売日:発売中(2022年09月30日)
■価格:
 パッケージ 初回限定版 10,450円[税込]
 パッケージ 放課後シンデレラ1+2パック 16,280円[税込]
 ダウンロード通常版 9,520円[税込]
 ダウンロード豪華版 9,900円[税込]
■主な制作スタッフ:
 ディレクション 宅本うと
 プロデューサー 亜佐美晶
 原画 RINKS
 シナリオ 此ノ花しな、浅黄アキ、モーリー
■公式サイト:https://www.hook-net.jp/houkago2/index.html

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