美少女ゲームのレジェンドともいえる『同級生2』がリメイクされ、『同級生2リメイク』として装い新たに生まれ変わった。過去にはさまざまなプラットフォームで移植が行われ、そのたびに徐々に進化してきた同作だが、今回のリメイクでは原画がすめらぎ琥珀先生に変更されてフルHDに対応。そのうえ今風に遊びやすいイージーモードも搭載と、今の時代にあった多彩な変化も遂げている。また、各キャラクターにHシーンが追加されるという嬉しいサービスもある。
『同級生』シリーズは、後の美少女ゲームに大きな影響を与えた。プレイヤーが1日の行動を決定し、多くのヒロインたちとさまざまな形で出会い、多様なイベントを通じて関係を深める。このシリーズのもつ自由度は、当時の美少女ゲームでは見られない、珍しい取り組みだった。『同級生2』は、1作目をさらに進化させ、自由度の面はもちろん、ヒロインとの恋愛描写をさらにドラマティックにした作品である。
（ライター：緑元気）
懐かしくも新しい！
『同級生2リメイク』の魅力とは
リメイクされたグラフィックは、絵柄の変化こそ新鮮だが、構図などはオリジナル版にかなり忠実なので、まさに「懐かしくも新しい」ものに触れている感覚を楽しめる。エッチシーンはもちろん、日常のイベントシーンの描きこみも緻密なのが『同級生2』の見どころでもあるのだが、どのヒロインも実に魅力的に描きなおされている。日常シーンもちょっとエロティックな『同級生2』にかってドキドキしたものだが、この絶妙なバランス感覚はリメイク版にもしっかりと継承されている。
リメイク版のシステム面はオリジナル版のプレイフィールを尊重したものになっているので、『同級生2』の持つ面白さが詰まっている。ヒロインのいそうな場所を駆け回り、目当てのヒロインと出会えたときや、新しいイベントが発生したときはわくわくする。筆者はオリジナル版をかなり遊びこんだので、おさらいする気持ちで「同級生2リメイク」を遊ぶつもりが、ついつい数キャラ分のエンディングまで一気に遊びきってしまった。ヒロインと仲良くなっていく過程をさまざまに楽しめる自由度の高さや、コツをつかんでヒロイン攻略の効率化ができてきたときのズルをしている感などは、今の時代にもしっかりと通用する「本作の面白さ」だろう。
ちなみに、『同級生2』は完全攻略を目指すとなかなか歯ごたえのあるゲームだが、リメイク版は「イージーモード」が基本になっており、このモードではどのヒロインがどの場所にいるかの確認・フラグのチェックが可能。つまり、攻略法を知らずとも、お目当てのヒロインを簡単に攻略できるのだ（オリジナル版と同じプレイフィールを持つ「クラシックモード」では、ヒント機能がオフになるため、歯ごたえを求める方はこちらのモードで遊ぶといいだろう）。
『同級生2』は今遊んでも面白い
オリジナル版や過去の移植版を遊んだプレイヤーからすると、さまざまな感情を掻き立てられる作品に仕上がっている。本編『同級生2』の外伝である『卒業生』まで収録されている配慮もたまらない。グラフィックのリメイクは、オリジナル版を愛するプレイヤーからすると、賛否分かれるポイントかもしれないが、豪華版にはぬかりなくMS‐DOS版『同級生2』が特典としてついてくるあたり本当にぬかりがない。
前作のリメイクである『同級生リメイク』のときにも感じたが、FG REMAKEブランドによるリメイクには、制作陣の原作愛がほど走っている。
本作がオリジナル版を遊んだ方のためのファンアイテムかというと、全くそんなことはない。むしろ本作は、オリジナル版を未プレイの方にも『同級生2』という作品を楽しんでもらうために、丁寧に練り直された作品のようにも感じる。当時にして凄まじい作りこみとボリュームでプレイヤーを魅了した本作だが、30年近く経った今でも並び立つ作品の少ない傑作であることは疑いようもない。ヒロインを一人ずつ攻略していくうちに、このゲームの深みをひしひしと感じられるはずだ。
懐かしむ方も、はじめましての方も、『同級生2リメイク』で、美少女ゲームの歴史に名を残す傑作の凄味を感じてほしい。
■タイトル：同級生2リメイク
■ブランド：FG REMAKE
■ジャンル：恋愛アドベンチャー
■発売日：2024年6月28日
■価格：
通常版 11,330円[税込]
豪華版 12,430円[税込]
■同梱特典：
通常版：『卒業生』リメイク
豪華版：初代DOS版『同級生2』+『卒業生』リメイク
■対応OS：Windows 10 / 11
■スタッフ
原作：elf
原画：すめらぎ琥珀
■ブランドURL：https://www.fanzagames-digination.com/
■製品URL：https://www.fanzagames-digination.com/fgremake/doukyusei2_re/
