萌えゲーアワード2010 受賞タイトル発表

2010年度 萌えゲーアワード大賞

金賞 黄昏のシンセミア(あっぷりけ)

 今回の萌えゲーアワード大賞金賞は、満場一致で『黄昏のシンセミア』に決まった。本作はオダワラハコネ氏が描く魅力的なグラフィックに定評のある、あっぷりけの第3弾となるソフト。何しろユーザー投票ランキングでは、ユーザー支持賞を筆頭に、シナリオ賞・主題歌賞・BGM賞・グラフィック賞・キャラクターデザイン賞・純愛系作品賞・エロス系作品賞の8部門の1位を総なめ。圧倒的強さを見せたのだから、納得の受賞だろう。
 それほど多くの部門で1位を取れたのは、もちろん様々な面で完成度が高かったからだが、それ等が一つの作品としてよくまとまっていたのが大きい。特にシナリオの桐月氏による、思わず身悶えちゃうキャラクターの楽しい掛け合いなどの萌え的要素と、羽衣伝説を軸にスリリングに読み込ませる伝奇的シナリオのシリアス要素とのバランスは、素晴らしいの一言。舞台である夏の田舎町の雰囲気と相まり、作品世界にどっぷりハマれること請け合いだ。
 また特筆すべきが、フローチャートシステム。ゲームの進行を容易にしてくれるこのシステムは、プレイしていて非常にユーザーライクで便利だった。それに代表されるように、作品の隅々までユーザーのことをよく考えて作られていたことが、本作がこれだけ支持された一番の原因だろう。

銀賞 戦女神VERITA(エウシュリー)

 銀賞『戦女神VERITA』はエウシュリーを代表する看板シリーズ『戦女神』と『幻燐の姫将軍』、その二大タイトルが初めて共演したRPG。どちらもヤリ込み甲斐のあるシステムと壮大な世界観が魅力なシリーズだけに、期待どおりの超大作となった。総勢50人以上にも及ぶ歴代の人気キャラが集結し、全10章に渡るシナリオと膨大なステージMAPを要する世界観は、まさに圧巻!! 大艦巨砲主義を掲げるエウシュリーの集大成的作品だ。

銅賞 素晴らしき日々~不連続存在~(ケロQ)

 銅賞『素晴らしき日々~不連続存在~』はケロQとしては、ファンディスク以外では、実に6年振りになる作品。ケロQは、透明感のある美しいグラフィックに加えて、すかぢ氏が書く独特なノリを持つシナリオに定評のあるブランド。今回もその期待を裏切らず、特にシナリオの出来が非常に素晴らしかったことが高く評価され、銅賞の受賞となった。
(BUGBUG編集部 編集長 大澤忠基)

ユーザー支持賞

 今年度のユーザー支持賞に選ばれた『黄昏のシンセミア』は、シナリオの秀逸さ、キャラクターの美麗さもさることながら、その遊びやすさが一番にユーザーの心を掴んだのではないだろうか。
 ゲームシステムの優秀さは、バグが無いとか、処理速度が速いというような基礎体力の善し悪しだけではなく、この作品の場合ように、プレイヤーがいかに遊びやすく、また使いやすくできるかということが重要視される。遊びやすいということは、当然にプレイ時においてユーザーのダレを生まない。ユーザーが最後まで気軽さを持って遊ぶことができるということは、それによってシナリオへの理解度も深まろうというものである。
 "ゲームの"ではなく、"パソコンの"ライトユーザーに対しても、腐心した作品設計を持ってすれば、ユーザーの支持という結果を得られたのは、当然のことと言えよう。
(コミックマーケット準備会 共同代表 市川孝一)
受賞タイトル一覧

金賞 黄昏のシンセミア(あっぷりけ)
銀賞 戦女神VERITA(エウシュリー)

萌えゲーアワード2011