■純愛系作品賞・金賞：その花びらにくちづけを ミカエルの乙女たち
インディーズブランドとして活動を続けてきた「ふぐり屋」が商業ブランド「ゆりんゆりん」の第一作として発表した本作はブランドの看板シリーズ『その花びらにくちづけを』の過去作のキャラクターも多く登場させ、集大成と言える作品となった。
本作の特徴としては萌えゲー作品としては珍しい「女性主人公」であり、恋愛模様も女性同士という、いわゆる「百合モノ」と言う点にある。
思春期の少女恋愛で期待される純情で一途な恋愛感情や、それに対する脆さ、そういった少女の揺らぎを淡く柔らかに描写しており、王道的な百合展開を楽しめるのが本作最大の魅力だ。また主人公の視点だけではなく上級生や教師など、主人公より上の立場からの恋愛模様も描かれており、様々な恋愛模様が織り交ざった耽美的な世界観は本作独特のものであり、秘密めいた楽しみを得たような満足感がある。百合作品の魅力を味わうにはうってつけの作品だ。
（デザインスタジオ威風堂 高木 敬介）
■純愛系作品賞・金賞：LOVESICK PUPPIES －僕らは恋するために生まれてきた－
「学園」「同居」「世話焼き」「ツンデレ」「イチャラブ」など萌えゲーでの鉄板ジャンルであるポイントをふんだんに盛り込まれた本作は、シナリオボリュームが非常に高く、物語全体やヒロイン達との交流をめいいっぱいに楽しむ事が出来る。
ヒロイン達と親愛を確かめながら少しづつ変化してく日常は非常に魅力あふれ、それぞれにしか見えない新しい要素は、プレイヤーにとっても「楽しい思い出」として昇華していくであろう。
個性あるヒロイン達と問題に直面しながらも新密度を温めていき、その先には徹底的にイチャラブな展開なども用意されている。
時間の中で日常を楽しみ、思い出を紡ぐ感覚を楽しみたい人へ、この作品は自信を持ってお奨めできる作品である。
（デザインスタジオ威風堂 高木 敬介）
■純愛系作品賞・金賞：お嬢様はご機嫌ナナメ
わがままだけど寂しがり屋、口やかましくてプライドが高い。そんな「お嬢様」との恋愛なんて苦労ばかりのはずなのに、強い親密感を感じて憧れてしまうのは男の性というものなのか。
本作ではセレブなヒロイン達との立場や生活、経済観念などにギャップを感じつつも、自発的な主人公の性格が幸いし、問題に対して爽快的に立ち向かうので、物語に没頭しやすく、ストレートに楽しむ事が出来た。
また、随所にバトル展開やラブコメ要素も多く用意されており、一つの雰囲気に流されず多様な展開を楽しむ事が出来たのもポイントであろう。
そっけなさそうで寂しがり、それでいてわがままなのに人の顔色を伺う時もある。そういった「お嬢様」というキーワードに反応してしまうタイプにとって、この作品のヒロイン達それぞれのお話を見ているだけでも充分に満足できる内容と言えよう。
（デザインスタジオ威風堂 高木 敬介）
