金賞・シナリオ賞

さくらの雲*スカアレットの恋

きゃべつそふと

金賞・シナリオ賞

受賞コメント

この度は2020年度シナリオ金賞と、栄えある賞をいただきまして誠にありがとうございます。

多方面の方々に支えられ完成した本作。自分のシナリオは例によって、背景やイラストなどビジュアル面にも面倒な指定がつきまといます。そんな細かいオーダーにもお応えいただき、『さくレット』をひとつのパッケージとして世に出せたことは非常に幸運であり喜びです。

自分はいつも、執筆にあたって、
「前知識なく」「誰でも楽しめる」ものを創ろうと心がけています。

本作もまた、そんなデザインに仕上がっていると思いますので……
まだの方はぜひ手を伸ばしてもらえると嬉しいです。

最後になりますが、ここまで応援してくださったユーザーの皆様へ心より感謝申し上げます。

(シナリオ担当 冬茜トム)

講評

前作「アメイジング・グレイス」に引き続いての同一ライター受賞となった今作は、連続受賞に相応しくさらに読み応えのあるシナリオとして私たちの前に顕現してくれたように思う。
このライターの作家性から読み取れるポイントとしては、叙述トリック、伏線回収、ループの妙味などなのだが、二作の相違点をあげるとすれば、例えば叙述トリックならば読者に先入観を与えるようなミスリードを組み込んだり、世界観ならユーザーにわかりやすいように明瞭なものに設定するなど、前作の成功を踏まえた上で、一歩進んださらなる工夫が施されているということである。
また、作者が影響を受けたであろう映画、小説などのオマージュも物語にふんだんに散りばめられ、これらにより前作のシナリオの成功により高くなったユーザー満足度のハードルも越え、読者の期待を裏切らないような完成度の作品となっているといえよう。

(萌えゲーアワード実行委員・アドバイザー 山下智生)

天ノ少女

Innocent Grey

金賞・シナリオ賞

受賞コメント

皆さま、ごきげんよう。Innocent Greyです。

この度は、天ノ少女をシナリオ賞に選んでいただき大変光栄に存じます。
カラノショウジョシリーズの完結篇として大きな重圧を感じつつ、試行錯誤を
繰り返しながらようやく完成、そして無事に発売することができましたのも、
長い間待ち続けて下さったファンの皆さまのおかげです。
三部作としての玲人と冬子の物語は完結しましたが、これからも世界観を広げ
つつキャラクターたちの活躍を描いていきたいと考えておりますので今後の展
開にもご期待ください。

時代がどれだけ変わろうと流行りに流されず、これからもInnocent Greyらしさを貫いて猟奇的で残酷な美しい物語を紡いでいきたいと思います。

そして、これからもミステリィADVという絶滅危惧種を守るためにも作品を
作り続けていきますのでご支援の程よろしくお願いいたします。


Innocet Grey

講評

江戸川乱歩の変格小説と横溝正史の本格推理に影響を受け、その両方のエッセンスを併せ持ったかのようなストーリーは、ゲームという媒体にマッチするようにアレンジされ、美術(絵)及び音楽、芝居(声優)と上手に融合させながら、よりわかりやすく、またコンテンツ映えするような読み物として上手に料理されている。
ミステリとしても読みごたえがあるので、ユーザーはプレイと同時に考えながら読み進めることもできるので、ある意味ゲーム本来の楽しみ方もできる。
本来「殻ノ少女」「虚ノ少女」に次ぐ三部作の完結編となるこの作品だが、単体でプレイしても充足に足る面白さのシナリオだ。
だが、このライターの特徴として物語の時系列管理が優れている点があるので、(そしてそれがミステリとしても優れた点であるのだが)三作を順番にプレイしていけば、読者はより面白さを感じられるであろう。

(萌えゲーアワード実行委員・アドバイザー 山下智生)

恋愛×ロワイアル

ASa Project

金賞・シナリオ賞

受賞コメント

皆様こんにちはASa Projectです。
この度は『恋愛×ロワイアル』が萌えゲーアワード2020のシナリオ賞に選ばれたという事で、有難う御座います!

2020年11月の月間賞に続き、とても光栄です。
本作はとにかく理不尽にモテまくる主人公、開き直ったかのように攻めてくるヒロイン達。
この女の子達は一体なぜ主人公を好きになったの?そんなの関係ねぇ!という作品です。
その分、ラブラブなエッチシーンにも過去いち全力を注いでいます。

本編で描ききれなかった部分は、ミニアフターという形で
「乃々香&蓮菜&由奈」編、「まり&汐音&蒼」編が各発売されておりますので、
長く遊べる一作にもなっております。

頭からっぽにして、モテまくって、エッチしまくって、幸せになりたい全人類におすすめです。
応援してくださった皆様、本当に有難う御座いました!

講評

この作品のシナリオ賞はラブコメディのテキストにおける完成度の髙さを評価しての受賞ということになるといえよう。
キャラクター同士の掛け合い台詞の積み重ねによって、登場人物の持ち味を浮き出させることが、読者のキャラに対する感情移入の一助となり、同時にいわゆる”萌え”をも生み出すことに成功している。
作品冒頭からハイテンションのウイットに富んだテキストの連続のため、ダレることなく物語を読み進めることができ、正直なところ物語構造としては単純な話なのだが、だからこそ話に入りやすく、純粋に会話劇を楽しむことが出来るものともなっている。
また、各ヒロインのルートに主人公の他に必ず狂言回しのキャラを配置し、これもストーリーの良い調味料となっている。
シナリオ賞受賞作品というのは読みごたえはあるが、ともすれば敷居が高くなりがちになるが、この作品は入門編として薦めやすい作品といえるのではないだろうか。

(萌えゲーアワード実行委員・アドバイザー 山下智生)